福井県立病院の林寛之・救命救急センター科長が救急を志す研修医はもとより時間外診療に携わる全ての医師を対象として「ERマガジン」誌に連載していた”救急のレシピ集”が「ERの裏技」として出版されました。本書は「極上救急のレシピ」とサブタイトルが付いているように、レストランのメニューのように一覧表で、部位別の処置がひと目でわかるようになっている優れものです。

教科書には載っていなくても、林医師が日々の診療や海外の論文で参考になりそう手技や工夫を選んで掲載しています。例えば、アルカリ眼熱傷の治療には、局所麻酔をした後に眼を十分に洗浄することが重要ですが、麻酔が切れた後の痛みを防ぐためには、戦場用の生理食塩水にキシロカインを混ぜておくと効果的です。

また著者が自信を持ってオススメする裏技としては、肩関節前方脱臼の患者に対して、麻酔を十分に効かせた上で、患肢を牽引しながら肩甲骨を回すように押すと、痛みを抑えながら確実に整復できるとのことです。

海外と違い日本では急性期の患者を診るERドクターが不足していますが、救急患者のおよそ9割は、横断的な診療で対処できるはずなので、専門外でも本書で紹介されている手技や工夫を知っていれば役に立つでしょう。

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